和菓子の凍結テスト
和菓子の凍結テスト
このページでは「桜餅」「草餅」「饅頭」という3種類の和菓子の凍結テストの結果をお伝えします。凍結結果以外にも凍結時の考察や各お菓子の豆知識についても触れていきます。
さくら餅について
さくら餅は桜にちなんだ関東の名物の和菓子です。餅に巻かれている葉はさくらの葉であり、塩漬けにされたものを使用しています。
ちなみに、さくら餅に用いられた葉は、大島桜です。この葉にはクマリンという血液をサラサラにしてくれる成分が含まれていて、主に食べられるのは桃の節句(ひな祭り)です。
さくら餅の成分表
エネルギー | 238kcal |
---|---|
水分 | 40.5g |
タンパク質 | 4.5g |
炭水化物 | 54.2g |
脂質 | 0.4g |
食物繊維 | 2.6g |
塩分 | 0.1g |
カルシウム | 12mg |
カリウム | 38mg |
鉄 | 1.0mg |
お菓子にしてはカロリーが238kcalと低カロリー。水分も40.5%とかなり低めといえます。
凍結テストの結果
今回も空気凍結機と液体凍結機の2種類の凍結機で比較したのですが、あまり大きな差はありませんでした。
もともと水分量が少くて冷凍には向いている食べ物なので、解凍後も凍結前と大きな変化はありません。
2種類の急速冷凍機で比較しても変化の差が見られなかったので、通常のご家庭にあるような冷凍機(緩慢冷凍機)とも比較してみました。
結論は、「どの冷凍機で凍結してもそこまで結果は変わらない」でした。おそらく水分が少ないため、ドリップが発生しないので味も急速冷凍機と比べても大きな違いが出ないようです。
草餅の予備知識
草餅もさくら餅と同様、桃の節句に食べられる和菓子。
江戸時代では桃の節句を草餅の節句と呼ぶこともありました。草餅はヨモギの葉からできています。
地方によっては「よもぎ餅」の名前の方が有名かもしれません。比較的簡単に作ることができるので、ひな祭りにはご家庭で手作りのものを食べるという方も少なくないかもしれません。
成分表
可食部100gあたりの成分表です。
エネルギー | 229kcal |
---|---|
炭水化物 | 52.1g |
水分 | 43.0g |
タンパク質 | 4.2g |
脂質 | 0.4g |
灰分 | 0.3g |
リン | 25mg |
カリウム | 23.5mg |
ナトリウム | 8.5mg |
草餅も水分は少なめ。カリウムとナトリウムが豊富に含まれているので、高血圧の予防におすすめです。
凍結比較テスト
液体凍結機、空気凍結機、緩慢凍結機の3つの冷凍機で凍結テストを行いました。緩慢凍結機というのは、従来のご家庭にあるような冷凍庫です。
今回使用した草餅には、きな粉がまぶしてあるものを選びました。
結果は、急速冷凍機で凍結したものは、味も見た目も冷凍前と変わらなかったです。一方で、緩慢凍結については若干甘味が落ちているような気がしましたが、大きな差はありません。
なお、甘味やきな粉の風味が一番良かった下処理は、周りにビニールパックをつけることでした。また、添加物があるかないかでも結果が変わってくるようでした。
饅頭(まんじゅう)
まんじゅうは和菓子の中でも特に親しまれているお菓子でで、中国のマントウというお菓子が変化し、日本独自の和菓子になりました。
饅頭は古くから、お祝い事、祭り事や儀式などと縁があります。形が丸いのは「全て丸く収まりますように」という願いが込められているようです。
また、「舞姫」「雁」「山椒大夫」など数々の名作を残した文豪、森鴎外の好物は饅頭茶漬けだったそうです。饅頭茶漬けというのは、まんじゅうをご飯の上にのせ、お茶をかけるだけの簡単な食べ物です。これについて森鴎外は
「父とたべた想い出もあるが、支那のお菓子のようだったり、淡白(あっさり)した、
渋いお汁粉のようだったり、どっちも美味しい。」
引用元:http://www.toraya-group.co.jp/gallery/dat02/dat02_021.html
と述べています。
まんじゅう成分表
エネルギー | 272kcal |
---|---|
炭水化物 | 5.29g |
水分 | 32.0g |
タンパク質 | 5.29g |
脂質 | 0.7g |
カリウム | 78.74mg |
リン | 68.93mg |
ナトリウム | 43.62mg |
カルシウム | 29.28mg |
マグネシウム | 12.35mg |
まんじゅうもミネラルが豊富なお菓子ですね。カロリーは若干高いですが、ダイエットに利用されることも多いです。
凍結テストの結果
さくら餅、草餅と同様にまんじゅうも3つの冷凍機(空気、液体、緩慢)で実験してみました。
こちらも同じように、水分が少ないためドリップはほぼ全く出ません。急速冷凍機で凍結したものと比べるとやはり緩慢凍結は、少し味が落ちている気がしました。
しかしながら饅頭も、どの冷凍機も結果に大差はありませんでした。急速冷凍機の中でも優劣はつけがたく、「どれも変わらない」というのが正直な感想です。
和菓子のまとめ
今回の3種類の和菓子の凍結テストでは、冷凍機の種類や下処理の違いが凍結結果にほとんど影響を与えませんでした。
しかしながら通常は、食材や下処理によって結果は大きく変わってきます。実際、野菜や魚介類、お肉等の場合、急速冷凍機の種類で凍結結果が大きく変わります。そのため、何か冷凍したい食材がある場合、複数の急速冷凍機で冷凍テストを行うことが大切になります。
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