キノコ類を凍結テストしてみた!
シメジ・椎茸・マッシュルーム・トリュフの凍結テスト
シメジ・椎茸・マッシュルーム・トリュフは食用キノコの中でもかなり重要な位置を占めるキノコ。
これらの食材を鮮度を保ったまま、長期保存できるようになれば、維持費や廃棄の削減など業績の大幅な改善が見込めます。そのため、今回はこれらのキノコ類を品川デモ会場にて凍結テストしてきました。
凍結テストの結果、凍結時の考察、各キノコに関する豆知識をこのページで紹介していきます。
しめじ・シメジ
しめじの豆知識
「香り松茸、味シメジ」と言われるように味には定評のあるシメジ。
「香り松茸、味シメジ」は、ホンシメジと呼ばれるシメジを指します。この種類のシメジは、流通しにくく、中々目に掛かることができません。もちろん通常のシメジもおいしいですし、鍋などに入れると最高ですよね。
シメジの旬の時期は10~11月。この時期が一番おいしく、安く買うことができる時期です。シメジは、カサが丸みを帯びていて、ハリのあるものほど美味しいといわれています。
スーパーなどでよく目にするシメジは、通年販売されています。しかしながら、通常の保存方法ではすぐに傷んでしまい、味が落ちるので冷凍保存も難しい食材です。
今回の実験では、下記の2点について検証してみます。
1:急速冷凍機で保存すれば、味は落ちないのか?
2:スーパーのように陳列用として保存する場合でも商品価値は残るのか?
シメジの成分表
まずは、シメジの成分表から見てみましょう。
可食部100g当たりの成分は以下の通りです。
エネルギー | 18 kcal |
---|---|
炭水化物 | 5.0 g |
たんぱく質 | 2.7 g |
脂質 | 0.6 g |
灰分 | 0.9 g |
食物繊維 | 3.7 g |
水分 | 90.8 g (90.8%) |
ビタミンB1 | 0.16 mg |
ビタミンB2 | 0.16 mg |
ビタミンC | 7 mg |
ビタミンB6 | 0.08 mg |
葉酸 | 28 μg |
パントテン酸 | 0.86 mg |
カリウム | 380mg |
カルシウム | 1 mg |
マグネシウム | 11 mg |
水分量は90.8%とかなり多めです。
しめじ凍結テストの結果
今回は空気凍結機と液体凍結機で比較テストしてみました。
結果からすると、両方とも凍結前の味は維持されましたが、形は変わってしまいました。そのため、冷凍保存したしめじを売り物にするのは難しいと思います。しかしながら、味の方はほとんど変わらなかったため、調理用として使用する分には全く問題ないといえます。
凍結後のしめじを見比べてみたところ、空気凍結で凍らせたしめじのほうが凍結前の形を維持していました。そのため、しめじの凍結には、空気凍結がおすすめです。
今回の凍結結果から下記のことが言えます。
凍結したしめじは、
- ・食感は変わってしまうが、味は変わらない。
・陳列用としては保存しにくいが、調理用としては保存できる。
・レストランや飲食店なら廃棄のロスやコストを削減できる。
椎茸・しいたけ
次は椎茸です。
椎茸についての豆知識
椎茸はグルタミン酸やグアニル酸という旨み成分をよく含む食材。
出汁を取るのにも良く使われる、日本人には馴染み深いキノコ類です。食感や風味が独特なので、好き嫌いが意外と別れる食材といわれています。
しいたけには「生椎茸」と「干し椎茸」の2種類があります。
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生椎茸
天ぷら、鍋、茶わん蒸し、巻き寿司、スープ、炒め物などに入れるもの。鮮度が非常に落ちやすく丁寧な保存が必要です。
お店で購入する場合は、下記の2つの項目のチェックが大切です。
- 傘の裏や切り口が茶色く変色していないもの。
- 多量に汗をかいていないもの。
開封時に刺激臭があるものは危険なので、気になったら食べるのを控えることをおすすめします。
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干し椎茸
干し椎茸とは椎茸を乾燥させた食品です。
しいたけは乾燥させることによって旨み成分や、香りが強くなります。食す前には水につけて戻すことが必要で、通常1、2時間程度水につけるだけでも切り方によって復元できます。24時間以上水につけると非常においしい椎茸ができあがります。
復元した椎茸は煮物やつくだ煮にしたり、出汁を取ることに使われます。復元した際にでた「もどし汁」も出汁として使うことができます。また、日光を浴びるとビタミンD2 の含有量が増えます。
そんな椎茸は陳列用、調理用として、冷凍保存することができるのでしょうか?
今回も液体と空気の比較実験の結果と共にお伝えします。
まずは成分表からです。
椎茸の成分表(100g当たり)
熱量(カロリー) | 18kcal |
---|---|
水分 | 91.0 g |
タンパク質 | 3g |
ビタミンD | 2.1μg |
脂質 | 0.4g |
灰分 | 0.7 g |
食物繊維 | 3.5g |
炭水化物 | 4.9g |
カリウム | 280mg |
ビタミンB1 | 0.1mg |
カルシウム | 3mg |
水分量はもちろんのこと、きのこ類は食物繊維が比較的多いです。
きのこ類の食物繊維には、とりわけ水溶性食物繊維が多く含まれています。水溶性食物繊維は、糖尿病予防、高血圧、動脈硬化の予防になる上に腸内環境も整えてくれます。
しいたけの凍結テスト
液体凍結前の椎茸
ここでは、しいたけの凍結テストを紹介します。検証テストは液体凍結機と空気凍結機で行いました。
しいたけは野菜なので水分量も91%とかなり多く、凍結前は上手く冷凍できるか非常に心配な食材でした。
結果としては、解凍後のしいたけは凍結前と味、見栄え共に凍結前とほとんど変わりませんでした。とりわけ空気凍結機で急速冷凍したものが良い結果となっていました。
今回の検証から、椎茸は急速冷凍することによって新鮮な状態、見栄えで保存できることがわかりました。
このため、冷凍した松茸は調理用として利用することは問題なくできます。加えてスーパーや八百屋さんのような店頭に陳列することができます。
マッシュルーム(ブラウン、ホワイト)
マッシュルームについての豆知識
マッシュルームにはブラウンとホワイトの2種類があります。これらは菌の種類の違いで色が変わります。
ブラウンは、香りが強く、ホワイトに比べると風味が濃く、ホワイトは、上品でまろやかな味わいとなっています。
マッシュルームは細胞が壊れると旨み成分が増える特徴があるので、冷凍には向いている食品です。なお、きのこ類の中でも唯一生で食べることができるキノコです。ただし、保存状態によっては品質が悪化することもあるので、食べる前にしっかりと確認することをおすすめします。
参考までに、新鮮なマッシュルームは、傘が開いておらず、触った際の感触がしっかりしている物です。
ここからは、マッシュルームの成分表を紹介します。
マッシュルームの成分表
可食部100g当たりの成分表です。
熱量(カロリー) | 11kcal |
---|---|
水分 | 93.9 g |
タンパク質 | 2.9g |
脂質 | 0.3g |
炭水化物 | 2.1g |
灰分 | 0.8g |
カリウム | 350mg |
カルシウム | 3mg |
マッシュルームは低カロリーながらミネラルも豊富なので、ダイエット効果も期待できます。加えて、マッシュルームには、旨み成分のグアニル酸が多く含まれるので、調味料にも適した食材です。
ここからは、実際の凍結テストの結果を紹介します。
マッシュルームの凍結テスト結果
空気凍結機と液体凍結機でのテスト結果をここでは紹介します。
マッシュルームも水分を多く含むため、細胞が壊れやすくドリップが出てしまいがちです。解凍したマッシュルームからは、ドリップが発生してしまい、形が崩れてしまいました。しかしながら、マッシュルームには細胞が壊れると旨みが増すという特性があります。
そのため、解凍後と凍結前の味を比べてみても解凍後の味のほうがおいしかったです。
元の状態に一番近かったのは、空気凍結機でした。
ドリップが出てしまうのでスーパーなどの店頭で販売するのは難しいですが、調理用としては問題なく利用できます。
マッシュルームは、本当に冷凍に向いている食品です。調理用としてマッシュルームを保存したい方には空気凍結機がおすすめです。
トリュフ
トリュフの豆知識
キャビア・フォアグラに並び称され、高級食材として知られるトリュフ。
トリュフの正式名称は、「セイヨウショウロ」といい、トリュフには「黒トリュフ」と「白トリュフ」の2つの種類があります。
白トリュフはヨーロッパでしか採ることができず、世界的にも希少なので非常に高額な値段で取引されます。
黒トリュフも白トリュフに劣らず、高額な値段がつきます。トリュフが高価なのは、基本的には人工栽培ができないためです。さらに、多くのトリュフは地表に出ることはなく、地下15~20cm付近で生涯を終えるので発見が難しい、というのも高価な理由の1つです。
19世紀ころにはトリュフは媚薬として扱われておりました。昔から男性が女性を口説く際にトリュフを食べさせるというのは効果的だったようです。
トリュフというのは地球上で全く収穫できない時期が3か月間あります。6月から10月くらいまでは、南半球で収穫ができ、10月から2月くらいまでは北半球で収穫ができます。しかしながら、3月~5月の3か月間はどこでも獲れません。
さらに、通常の冷凍、冷蔵保存方法では、保存期間が2週間前後です。
ここからは、トリュフの成分表を紹介します。
トリュフの成分表(100g当たり)
熱量(カロリー) | 42kcal |
---|---|
水分 | 93.9 g |
タンパク質 | 0.5g |
脂質 | 2.9g |
炭水化物 | 3.4g |
トリュフの成分表は上記の通りです。
トリュフの凍結テスト結果
引用元:tessins.exblog.jp
トリュフも同様に空気、液体の2種類の急速冷凍機でテストしてみました。
結論からいうと、実験結果は空気凍結機の方が良い結果を得られましたが、どちらの冷凍機でもあまり良い結果が得られませんでした。
特に、液体凍結機で冷凍したものは完全に変色してしまいました。
それに対して空気凍結機は凍結による変色やドリップの発生を比較的少なくすることができたのですが、冷凍前の状態とは比べようがありませんでした。
このように見た目ではドリップや変色が出てしまいましたが、味、香りは凍結後も残っていました。そのため、生以外の調理方法でトリュフを使用する飲食店では冷凍保存したトリュフが使える可能性があります。
きのこ類まとめ
このページでは、シメジ・椎茸・マッシュルーム・トリュフの実験結果を紹介しました。
4種類の実験結果から、きのこ類の凍結には、空気凍結機がおすすめです。
下記で紹介しております品川デモ会場では、より急速冷凍機の詳細な情報が得られます。
品川デモ会場に関する情報は、下記の記事で紹介しております。
- ・食材凍結テスト体験談の記事はこちら
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