エアーブラスト(緩慢凍結)の課題
従来の冷凍方法の課題とは?
味や食感などの品質や経費のことを考え、急速冷凍機を導入する企業は増えております。では、従来の冷凍方法ではどんな問題があるのかご存知でしょうか?
結論からいいますと、従来の冷凍方法ではドリップが流失してしまい、品質、味、食感などが落ちてしまいます。
これまでの冷凍の主流と言えば、冷気の中に製品を入れて冷凍する緩慢凍結という手法でした。一般の家庭用冷凍庫はこのタイプで、すべてのメーカーで採用されています。
しかし、今日では緩慢冷凍を行った食品は、生鮮のものと比較すると味が落ちてしまうことが広く知られるようになりました。
一般の冷凍庫では、食品の温度が最大氷結晶生成温度帯をゆっくり通過。そのため、その間に水分を保つ細胞組織が破壊され、解凍時にドリップが流出してしまいます。
結果的に、旨味成分が流出し、味の劣化が発生します。
※従来の方法では解凍時にドリップ(画像赤色の液体)が流出してしまう
従来の冷凍3つデメリット
冷凍のデメリットとしては以下の3つがあります。
・熱伝導率が遅い
冷凍に時間がかかるため、凍結ムラが発生します。
同時に凍結時に食材内部に生じる氷の結晶が大きくなり、食材内部の細胞が破壊されます。
・ドリップが発生
食品から旨味が凝縮された大量のドリップが出てしまいます。
・品質の低下
味・食感・見栄えなどが、凍結前と比較すると明らかに悪くなります。
凍結で品質が落ちる理由
ここでは、凍結によって食材の品質が落ちる理由を紹介します。
細胞の大きさは、動物も植物も約20~30ミクロンと言われています。
通常の空気凍結で冷凍を行うと、食材内部に発生する氷結晶は約100~250ミクロンの大きさになってしまいます。
このため、細胞よりも大きくなってしまった氷結晶が細胞膜を破り、ドリップが流出してしまいます。冷凍後の食材の食感がパサパサするのも大きな氷結晶が細胞膜を破るからです。
冷凍焼けという現象も、氷結晶が細胞膜を破ったことにより空気の流通路を作り、酸化を早めることが原因です。
この結果、冷凍した食材は「栄養素も低く、味も悪い」というイメージが広まってしまい、消費者の中には冷凍された食材にマイナスイメージを持たれる方も増えてきました。
生産現場においても、現在の冷凍方法で生じる「場所による鮮度管理」、「運送コストの増大」、「保存期間」といった課題を解決する必要性が生じてきました。
その中で登場したものが急速冷凍という技術です。
食材の冷凍保存で生じる課題を解決してくれるのが急速冷凍機の大きな魅力です。
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